歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

今年を「歯科維新元年」に!

歯科の潮流が変わった

2015年も1ヵ月が経過しました。戦後70年、年始から今年は日本が大きく動く年になることを予感させられる出来事が続きます。日本にとっても歯科界にとっても、今年を最良の年にするために、意欲と目標、大局観をもってがんばってまいりましょう。
日本の歯科医療の潮流が大きく変わり始めています。迫り来る超高齢時代を前に、在宅医療や多職種連携による地域包括ケアの取り組みが各地で旺盛に展開されています。

「外来中心」からの脱却

1月末から開催されている「日本口腔インプラント学会」近畿北陸ブロックは、メインテーマに「目指すべきインプラント治療 超高齢社会への対応」を掲げ、高齢者や要介護者へのインプラント治療と管理や終末像への考察を行いました。また6月には「日本口腔ケア学会」が「口腔ケア維新−職種間連携から施設間連携へ−」を掲げて、歯科が率先して他職種や施設との連携を構築していこうという積極的な姿勢を示しています。

その変化は歯科大の教育・研究にも及んでいます。岡山大学歯学部では、従来の外来中心の教育をガラリと変えて、通常の外来診療をはじめ、医科や薬科、リハビリなど多くの職種と協力して周術期から在宅、有病者、要介護者への診療まで「あらゆる場面」で求められる歯科医療に対応ができる歯科医師の養成を開始しています。時代のキーワードは「外来から在宅へ」イコール「診療所から地域へ」そして「多職種連携」なのです。

「最期まで口から食べられる」

訪問診療のパイオニア、東京・新宿の「ふれあい歯科ごとう」五島朋幸院長(49)は訪問診療を続けて18年です。毎日、自転車で区内の在宅高齢者や障害者を回るとともに、5年前、在宅患者を支えている地域の医師や看護、介護、リハビリ、栄養士、ケアマネージャーやソーシャルワーカーと連携して「口から食べる」支援をする「新宿食支援研究会」を立ち上げました。毎月1回勉強会を開いて51回、実践報告や研究、経験交流を続けています。土曜日の夜、仕事を終えて集まった50人以上の会員による勉強会はとても賑やかです。
会の目的は@適切な栄養摂取 A経口摂取の維持 B食を楽しむこと。孤独な一人暮らしの高齢者も多い大都会新宿の街のなかで顔のみえるきめ細かなサポートを行っています。

最期まで、自分の口から食べて笑顔で生涯を終える。食べることは生きること、食の支援は人間としての尊厳を守る仕事。歯科医療のゴールもそこにぴったり重なります。訪問診療は地域の通院できない患者さんへの「愛の歯科診療」にほかなりません。

今年を「歯科維新元年」に!

今年は日本社会にとって節目の年。それは「団塊の世代」がすべて65歳以上になり、高齢者人口は3,395万人(高齢化率26.0%)に達し「3.84人に1人が高齢者」になるからです。
それは、「2025年問題」といわれる、この世代が75歳以上の「後期高齢者」となり、高齢化率が3割(30.3%)に達する10年後の「超高齢化時代」の本格的な到来に向けて「序章」が始まっているということなのです。認知症患者は推定345万人、全世帯に占める高齢者世帯は42%、1,940万世帯にのぼります。

「口から食べて生涯元気!」。この旗印を、これから世界に先駆けて日本が立ち向かってゆく「超高齢時代」を切り開いてゆく日本の医療全体のスローガンとして掲げて、国全体でも地域でも、歯科がその先頭に立って進んでゆく。2015年を歯科が医療を変え社会を変えてゆく「歯科維新元年」にしていきましょう。

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