歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

「患者革命」がめざす未来

「毎日新聞」1月6日号

旧聞になりますが今年の正月1月6日付「毎日新聞」の社説が強く胸に残っています。タイトルは「これからの医療 患者革命で変えよう」。趣旨は「患者の役割を強化」すること、「患者が自分の医療に参加することで治療効果が上がり医療費削減もできる」ことを明らかにして、医療費高騰に悩む日本の課題に対する抜本的な解決策を提示しています。

例として紹介されているのがスウェーデン。リウマチ患者が自分の痛みの程度を測定し自分で薬を調整できるようにした結果、病院の受診率が3割減少し、「高福祉高負担」の税負担が軽減されたといいます。まさに「三方よし」、患者よし・医療機関よし・国家財政よしの好循環を生みだしています。

日本の医療の根本問題

日本の国民医療費は年間38兆5850億円にのぼります(2011年)。このうち45.4%、17兆5千億円が高齢者(70歳以上)医療費で、医療費全体が20年で17兆円増加したうちの75%を占めています。高齢者、70歳以上の医療費は高額で、1人あたりの医療費は70歳未満の4.4倍にのぼります。総務省は、2025年には国民医療費が52兆3千億円に達すると予測しており、高齢者医療費の金額も割合もさらに高まることは確実です。

むろん「健康長寿」は喜ばしいことで、日本の医療の根本問題は巨額の医療費を投入しながら病気が減らないことにあります。年間死亡者125万人の死亡原因をみると、ガン・心疾患・肺炎・脳血管疾患の「4大疾病」が80万人で全体の64%。直接の死亡原因には表れませんが、糖尿病や高血圧などの慢性疾患、生活習慣病が広がっています。

患者の自立を支援する

「毎日」の社説は、日本でも北欧と同じ取り組みを行っている地域に注目します。財政破綻で知られる北海道夕張市。医師が患者の生活習慣を詳しく聞き、患者が主体的に疾病に向き合えるよう健康指導を徹底するとともに口腔ケアや在宅看護・介護と連携した「包括ケア」によって医療費の削減と住民の健康向上に成功しています。また、以前本欄でも紹介した滋賀県東近江地域における「三方よし研究会」。地域の医療・保健・福祉・介護の「切れ目のないサービス」によって患者の自立を支え「患者よし・医療機関よし・地域よし」の取り組みで効果をあげています。

「生きること」は「食べること」

患者が自分の医療に参加し、自立して健康の維持・増進を進めてゆくためには、垣根を越えた「包括ケア」とともに、その基本に「食べること」を据えなければなりません。なぜなら「生活習慣」の根幹は「何をどう食べるか」が担っているからです。栄養学的な視点から「何を食べるか」とともに「どう食べるか」の重要性がわかってきたからです。

現在では、病院のNSTや看護・介護の現場で歯科、口腔ケアの重要性が認識され、急速に取り組みが強まっています。栄養補給は経管でもできますが「口から食べる」ことが決定的に大切だということが実証されているからです。「噛める」入れ歯が健康長寿に大きく寄与することも、70歳で総義歯になり昨年107歳で天寿を全うしたf地三郎さんをはじめ多くの例が示しています。「患者革命」がめざす未来は「噛むこと」「食べる」ことを根幹に据えた「健康長寿」の世界、言い換えれば「歯科の価値」が輝く未来にほかなりません。

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