歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

住民参加の「健康づくり」

第31回「CATの会」のパワー

先月は2週連続で神戸を訪問しました。
まず3月2日の第31回公衆歯科衛生研究会(通称「CAT=ネコの会」モンゴル健康科学大学岡崎好秀代表)。日本各地で予防歯科や噛むこと食べることを軸とした食育、摂食嚥下や栄養指導、介護、看取りなどの活動を行っている多業種の医科歯科福祉教育関係者130人が参加し、経験交流や実践に役立つ替え歌のグループワークに時を忘れました。

今でこそ誰もが「医科歯科連携」の必要性を唱えますが、30年以上前から地道に研究と実践を積み重ねてきた「ネコの会」が果たしてきた先駆的な役割とアプローチ手法の数々、そして参加者の多様性と人間性の豊かさ、パワーが年毎に強くなっていると感じた一日でした。

第10回健康づくり学会」の熱気

翌週(7日・8日)は「第10回健康づくり学会」。
日本医療福祉生協連の主催で、神戸・ポートピアに全国から500人近い医療生協の職員、組合員が集まりました。

1日目の分科会では「健康づくりでつながりづくり」「お口の健康・被災地の健康・心の健康」など9つの分科会に分かれて経験を発表。「すこやか広場smile助成金を使って地域で健康づくり」(高知医療生協)、「20年にわたる塩分摂取改善の取り組み」(宮崎医療生協)など、生活と地域に密着して取り組んでいる様ざまな経験や楽しい活動が生き生きと発表されました。

集まった演題は41生協から135題にのぼり、「地域丸ごと健康づくり」に寄せる協力協同の熱い思いがはじける学会となりました。

「皆さんは健康づくりのヒーロー」

学会では冨澤洪基学会長(尼崎医療生協・生協歯科)の基調報告に続いて登壇したWHO神戸センターのジュスタシオ・モレノ・ラピタン氏が「WHO国際保健と健康な高齢化」と題して記念講演。

「医療生協の理念はWHOの目的と深い関わりがある」と述べ、WHOが取り組む世界の人々の生涯を通じた健康増進と疾病や障害予防をすすめ健康な老後をめざす世界戦略を紹介。世界の高齢化の「最前線」に立つ日本で「叡知の歳月」として高齢者がどのように健康で充実した生活を送っているかに注目していると語りました。

そして、会場の壁一面に貼られたポスター発表や子供の禁煙ポスターを「今までに見たことがない」と大絶賛。患者、組合員、地域住民の参加型保健活動がこれからの高齢者医療、地域医療にとって不可欠の課題となり、世界の模範になるという励ましを与えました。
最後にラピタン氏は「皆さんは健康づくりのヒーローです。国や自治体はもっと応援すべきです」と述べ、社会保障における国や自治体の責任にも言及しました。

滋賀・東近江「三方よし研究会」

いま、琵琶湖のほとり滋賀県東近江地域が注目されています。この地域の近江八幡市など2市2町では地元の「近江商人」にちなんで毎月「三方よし研究会」が開かれています。

「三方よし」とは「患者よし」「病院よし」「地域よし」のこと。「三方よし手帳」をもった患者さんを真ん中にして、医療福祉機関が急性期・回復期・維持期それぞれ役割を分担して在宅・かかりつけ医とともに「顔の見える」ネットワークを構築し、切れ目のないサービスを実現させています。その根底には、患者・地域住民自らが健康長寿をめざして学び、運動して協力・協同の輪を広げてゆく「自主自立」の考え方があります。

住民参加型の保健・健康づくりは、経済最優先で失われ置き去りにされた人と人とのつながりや地域コミュニティの再生、そして何よりも「人間らしい生き方」を取り戻すプロセスに重なっているのです。

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