歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

新たな「価値」を創る

歯科ブルー・オーシャン戦略

●歯科マーケティング展開

2000年の「医療ビッグバン」でスタートした「自由化」「市場原理」の波、さらには相次ぐ医療費削減の政策のなかで、歯科医院経営には大きな試練が課せられていますが、そのなかでも安定経営を誇る医院と患者減少や経営困難に悩む医院の格差が広がっています。

こうした厳しい環境のなかで生き抜くために、歯科においても、競合他院との「差別化」、ターゲットを定める「集中」、「コスト削減」等、これまでのマーケティング理論をベースにした経営戦略が提案されてきました。「勝ち組になる」、或いは「○○で一番」、「上位○%」という、相対的な基準やランク、目標を定めてその達成に向けて全力を尽くすことは、激戦の「歯科医院競争時代」を突破するための有効な対応策のひとつであることは事実です。

● 「価値組応援団」への共感

しかしその中で、私たちは昨年から「価値組の時代」を提唱してきました。時々「勝ち組」の間違いでは、と言われました。しかし「価値組」なのです。それはなぜか。

「歯科医業の目的」を「歯の欠損部を補うために人工物による補綴で咬合咀嚼を回復させる」ことに置く現在の補綴・CURE中心のパラダイムの下で、限られたパイ(需要・顧客)を奪い合う競争原理では、人口減や予防の前進のなかで、パイそのものが縮んでゆくことは明らかで、そのなかで「勝ち」「負け」を論ずること自体限界があると考えるからです。視野を広げ、新たな「価値」を生み出すならば、歯科の可能性は無限に広がると確信しているからです。

●「ブルー・オーシャン戦略」

昨年出版された『BLUE OCEAN STRATEGY(ブルー・オーシャン戦略)』(ランダムハウス講談社)、サブタイトルに「競争のない世界を創造する」とあります。既存の商品やサービスで、限られた既存の市場「レッド・オーシャン」でしのぎを削るこれまでの戦略では、いずれは消耗戦を強いられ、血みどろの戦いが繰りひろげられる(「赤い海」は別名Red Bloody Oceanという)。これからの企業がめざすべきは、競争自体を無意味なものにする、未開拓の市場、新しい価値を生み出すこと。文字通り青く澄んだ海「ブルー・オーシャン」を創造する戦略である、とする新しい経営戦略の理論です。

●キーワードは「価値」の創出

機を同じくして、アメリカのマーケティング協会は2004年「マーケティング」の定義を、これまでの「交換を創出するための、商品・サービス概念、価格、プロモーション、流通計画、実行プロセス」という「売ること」を目的とした内容から「顧客に向けて価値を創造・伝達・流通し顧客との関係を最適化するための組織的動きとその一連の過程」という内容に変更しました。顧客にとっての「価値の創造」、めざす方向は共通しています。

「競争戦略」ではなく「高付加価値を持つ新市場の創造」という目標は日本の歯科界にもあてはまります。「8010時代」を迎えたいま、「笑顔」「美と健康」「抗高齢化」「呼吸管理」「食育」「口腔と全身の健康」「癒し」等々、歯科・口腔領域が対応すべき多くの分野の存在を考える時、私たちは、すぐ目の前に、歯科医療の大きな可能性、「未知の市場」をイメージできるのではないでしょうか。

必要なことは「歯科の価値」「歯科医院の価値」の大胆な「バリュー・イノベーション」Value Innovation(価値革新)、そしてただちに「価値を高める行動」を開始することです。

歯科の海がすばらしい「ブルー・オーシャン」になり、その海でみんながともに笑顔で泳げる日がくることを確信しています。私たちは「価値組」にそんな思いを込めているのです。

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