歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

熊本地震「揺れのなかから」

4月14日夜9時26分に始まった熊本から大分にかけての活断層を震源とする地震は、最大震度7、16日未明の本震がマグニチュード7.1という阪神大震災規模の大地震となりました。死者・不明者が50人を超え、損壊家屋3千世帯、最大で21万人が避難するという大きな被害をもたらしています。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に対し心よりお見舞いを申し上げます。

熊本をはじめとする被災地のコムネット会員の歯科医院の皆さんが復旧活動とともにすぐさま診療活動を再開されていることに敬意を表します。

今月号のTriangleでは、熊本地震の余震が続く中で、現地の歯科医師が何を感じ、考えているかを生の声でお伝えしたいと思います。本誌で歯科医療相談の連載を執筆していただいている「日本歯科医療相談センター」代表の山崎芳徳先生(熊本市開業)に現在の率直な思いを寄稿していただきました。

特別寄稿 「最高の再興」めざして

熊本市開業 山崎芳徳

ドドンと第1回目の地震を木曜日の夜に受けて、翌日「昨晩凄かったねえ」と笑顔混じりで何とかみんなで片付けをした。しかし、その日の夜中(土曜日の未明)再びドドンと第2回目の洗礼を受けた。土曜日は休診。「もう無理かも」という声も上がったが「月曜日には笑顔で会おう」とスタッフに連絡をした。ところが日曜日に多くのスタッフが出勤して後片付けをしてくれた。お礼はおにぎりのみ。

さて、今回の出来事に何か問題はあったのだろうか? 何も無い。気付いた事は何かあったか? 別に何もなかった。反省する事は? とくにない。ただ、これから先の事を考えながら、ひとつひとつ責任がとれる決断をして行かなくてはならないと思った。総勢24名のスタッフをこちらの都合で辞めていただく事だけは何としても避けたい。

不安は自分が勝手に作るものだから作らないようにしている。不安はあるものでなく自ら作るもの、そして不安は感情であり行動ではないのだ。どんな手段を使っても自分の人生を謳歌したいと思う。そのためにはやはり、確実な情報収集と自分の思い込みに囚われない事が大切だ。スタッフにはガラス張りの経営、金融機関には正直な数字を見ていただき、医院が存続するよう努力する事が自分の人生の楽しみになるなら協力をお願いしよう。

まずは「まあいっか」と思えるものはドンドン捨てて行く事にした。3ヵ月前から3S(整理、清掃、整頓)の活動を始めている。丁度いいきっかけになるだろう。これを機にスタッフのみんなともっと近くで話ができるような気がする。「頑張るぞー」という気合は「結局言うだけよねえ」とスタッフから冷たい視線を浴びたくないので無理をして演技しない事にしよう。

経営は、まずはキャッシュフロー、そして利益の分配、そしてやりたい事をやる。このやりたい事がある限り幸せは続いて行くものだと思う。

僕は宝くじやtotoBIGを少額でも必ず買う事にしている。買ってハズレが確定するまでは希望が存在するから。ハズレたらすぐに買う。するとまた夢を見られるのだから。 …でもこんな話は不謹慎で参考にはならないと思うが、書いている途中で何度も建物が揺れると、「こうすれば成功する」みたいな書籍の言葉がとても安っぽく感じられる。

以前、僕が大好きだった言葉は「思いやり」。だが今は「したいことある?」。自問してみよう。今したい事は?やはり「最高の再興」だ。「したい事ができるかもしれない」という感覚があり続ける限り幸せは続いて行くと思っている。たいがいのことは大丈夫!これが無くなるのは歯科医院が無くなるより辛いかも。

あっ! また揺れた。

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