歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

希望拓く変革の道を

26年目の感謝デーに

10月14日コムネットは創立26周年を迎えました。四半世紀プラス1年目の歩みを刻み、改めて、会員の皆様をはじめ、ご愛顧、ご支援いただきました皆様方に、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございます。

日本の医療の転換点

歯科医療は今、大きく変わろうとしています。歯科の役割が大きく注目されているのです。以前から、兵庫や茨城で「8020達成者の医療費は20%も低い」というデータが公表されてきましたが、この貴重な事実があまり省みられませんでした。それは、「歯科の仕事」が補綴や修復すなわち「歯を治療する」ことであって「歯を残す」保存や予防、メンテナンスが、医療政策はもとより歯科界の側からも評価されてこなかったからです。健康保険の診療報酬の枠組み「点数」とそれをめぐる賄賂攻勢の政界工作の歴史がそれを物語っています。

口腔ケアで医療費削減

しかし、過去を恨んでも何にもなりません。大切なのはこれからです。国も歯科界も「いちばん大事なもの」に気がついて今変わろうとしているからです。厚労省は先ごろ「国民の健康寿命が延伸する社会に向けた予防管理に係る取り組み」を公表しました。具体的な施策はまだ不明ながら国の政策が、口腔ケアと医療連携の方向にシフトして「疾病予防・健康管理」等を通じて、医療・介護費を1千億円規模で抑制を目指すという根本政策の転換は大いに評価できる内容です。

残存歯数と寿命の関係

「歯を失うと死亡率が上がる」言い換えれば「残存歯数が多い人ほど長生きする」というデータが公表され、口腔ケアで肺炎を予防し高齢者の命を守る効果が注目され、そして何よりも「口から食べて健康長寿」につながる事実に、「歯科が健康づくりのカナメ」として決定的な役割を果たすことが国民の中に急速に浸透している証でもあります。日々の実践、データ蓄積に努力された皆様に心から敬意を表します。
また、日本各地には、すぐにでにも実行可能な施策のヒントがあります。大阪の吹田市では自治体と歯科医師会がタイアップして、数々の実績を上げています。例えば、乳幼児歯科健診の充実をはじめ障がい者や高齢者への対応も積極的に行っています。18年前からは30歳以上の市民全員への年1回の「成人歯科健康診査」を実施。年間2万人が受診して効果を上げています(Together Interview参照)。さらに、市民病院との「病診連携」(2011年)や口腔ケアセンターの開設(2012年)にも尽力するなど、時代を先取りする活動を展開しています。

希望の世紀を拓くために

今がまさに「歯科の出番」です。私たちは、患者さん中心、相互信頼と予防歯科推進の旗を掲げて参りました。志を同じにする皆様の不断の奮闘努力が、現在の国の政策転換の原動力となり、医療政策を動かしていると確信します。私たちは皆様とともに、志を掲げ歯科の「希望の世紀を拓く」変革の道を邁進して参ります。これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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