歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

日本中に笑顔届けます!

春のセンバツ開幕!

東日本大震災から1年、今年も春の甲子園、選抜高校野球が開幕し、被災地宮城・石巻工業高校の阿部主将による選手宣誓が感動を呼んでいます。昨年の津波で複数の部員が親族を失い、家を流され、野球どころではなく必死にグラウンドのヘドロを掻き出す姿が何度もテレビに流れました。そして「あきらめない町・石巻!!その力に俺たちはなる!!」の横断幕のスローガンも。

この「最後まで諦めない」精神でがんばってきた野球部のチームメートが一緒に考えたという宣誓文は見事でした。阿部君は、今なお続く被災者の心情に心を寄せ、日本がひとつになってその苦難を乗り越えるために「だからこそ日本中に届けます。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう、日本の底力、絆を。われわれ高校球児にできること、それは全力で戦い抜き、最後まで諦めないこと」と述べ、今野球ができることに感謝し、全身全霊でプレーすると宣誓しました。

思いを一つにする春

この宣誓をきいて、昨年の大会の選手宣誓を思い出した人も多いと思います。阪神大震災の年に生まれた岡山・創志学園の野山主将が「人は、仲間に支えられることで大きな困難を乗り越えることができると信じています。私たちに今できることは、この大会を精一杯、元気を出してたたかうことです」。そして「生かされている命に感謝し、全身全霊で、正々堂々と、プレーすることを誓います」と宣誓したのです。

また、昨年プロ野球の開幕前に行われた震災復興支援試合で楽天イーグルスの嶋基宏選手会長が訴えた「見せましょう、野球の底力を。見せましょう、野球選手の底力を、見せましょう、野球ファンの底力を!」を思い浮かべた人もいるでしょう。嶋選手はその後のスピーチでもこう語っています。「この1ヵ月半で分かったことがあります。それは誰かのために戦える人間は強いということです。東北の皆さん、絶対に乗り越えましょうこの時を。絶対に勝ち抜きましょうこの時を。今この時を乗り越えた先には、もっと強い自分と未来が待っているはずです。絶対に見せましょう、東北の底力を」。今改めて被災地も全国も思いをひとつにする春にしなければ、と思います。

日本中に笑顔と元気を

この一連の野球選手の言葉を紹介したのは、全てが私たちがフィールドにして真剣に追いもとめ、日々患者さんの笑顔と健康のために努力している歯科の世界に重なるからです。川邉研次氏にならって言えば、歯科医療はまさに「笑顔創造産業」にほかなりません。かつてこの欄でも「歯科の底力をみせましょう」と提起しましたが、今がまさにそのときです。歯科医療には日本中を笑顔と元気にする力がある。私達はそう確信しているからです。いますぐ、「歯科は厳しい」「たいへん」という嘆きや諦めを吹き飛ばしましょう。

どのようにして?それは、現在も復興途上で厳しい環境にある被災地を直接支援することと同時に、今診療室で行っている診療、地域で行っている訪問診療や歯科公衆衛生活動において、丁寧な治療とメインテナンスに努め、予防歯科の推進、噛むこと、食べること、口腔ケアの大切さを語り、広め、歯科医院への来院を促すこと。情熱をもって地道な努力を続けることが、必ず人を変え、世の中を変えることにつながるのです。

「誰かのために戦える人間は強い」。嶋選手の言葉の通りです。それはワクワクする楽しい戦いです。自分は誰のために生き、働いているか、そしてその人(人々)の幸せのためにどれだけ力を尽くしているか、原点に返り自ら笑顔になって新年度をスタートしましょう。

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