歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

歯科の風を起こす年に!

●混沌の2010年始動!

2010年は、年末から続く寒波、ハイチの大地震、そして大荒れの政治状況と、厳しいスタートになりました。自然災害の予測がつかないように、人間の作りだす社会環境も予測どおりにいきません。この冬爆発的感染拡大が恐れられていた新型インフルエンザが鎮静化しているのは良い予想はずれ。

しかし、昨年圧倒的な支持を集めて誕生した民主党政権は、小沢問題の深刻化と支持率の急落のなかで来年度予算を成立させることができるか、政権発足後最大の試練を迎えています。その予算案には34年ぶりに医科を上回った歯科の診療報酬(歯科本体)2.09%アップも含まれています。国民の疑問に真正面から応え、正すべきは正し、掲げた旗を降ろさずにダイナミックに「チェンジ」する力強い政治展開を期待します。

●「志」を飛躍させる年に!

この混迷の時代に、どのような方向に進んでゆけばよいか、どんな選択をして生きる方向を定めてゆくのか、私たち1人ひとりにも問われています。

コムネットは、今年「歯科の明日を明るく照らそう」というテーマを掲げました。原点に返り、患者さんの視点から歯科界の明日を見つめ「羅針盤」として発展の道筋を照らしていこう、という思いをこめました。私たちの原点、「志」は「患者さんに笑顔と健康を! 歯科医院に夢と誇りを! 歯科界に元気を!」

その思いは創業以来不変で、目標は皆さんと同じです。今年はこれまで以上に、歯科の現実、現場から出発してより深いコミュニケーションと信頼関係を築くサポートを推進して経営向上を応援いたします。昨年全面リニューアルした「歯ートフルメッセージ(詳細はこちらを最大限生かしていただく新展開にご期待ください。

●すべての「絆」を深める!

私たちはまた、「絆」を大切にする年にしたいと考えています。どんな組織でも院長やトップの思いだけでは理想は実現できません。とくに予防の時代、「治療」を超えて「まるごとの患者さん」に向き合うのはチームの力です。理念を掲げ、夢や目標を共有し、誰のために、何のためにがんばるのか、同じ方向を向いて進む仲間の絆が発展の基本条件です。

さらに、みんなで、患者さん、ラボ、業者さん、同業者・・・そのすべての幸せを心から願い、努力することが「成功」につながるのです。仕事は、もちろん自分のためにがんばっていい。しかし、『ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する』で島田紳助氏がいうように「他人のために力を出せない人には、自分のためにだって本当には頑張れない」のです。

●歯科の未来は「ゴゴニジュウゴ」

昨年暮れに、とても印象に残る言葉を耳にしました。寺川國秀先生(75)の箴言。それまでにも「後期高齢者ではなく高貴高齢者」など、氏が語ることばにはいつも「宝」がちりばめられていますが、そのとき聴いたのは「ゴゴニジュウゴ」

それは九九になぞらえた人間の命の話でした。

「人間は、5分間息が止まると生きていられない。5日間水を断たれると生きていられない。そして25日間食べ物を断たれると生きていられないのです」。すなわち、人間の生命線を握っているのは口腔なのです。これほど単純明快に口腔領域を担う歯科の役割を言い表す言葉に出合ったことはありません。

日歯の大久保会長は、「歯科医療のミッションは、人々の生きる力を支えること」だと述べ、先日の横浜デンタルショーでも「生きがいを支える歯科保健・医療」をテーマに講演しています。いまや、歯科界も歯科行政も根本的なシフトチェンジが急務です。

真正面から、文字どおりの、全身の健康を守る歯科「保健」へ。まずは予防を前面に据えて、「いのちを守る」「生きがいを支える」全人的な健康を実現し、QOL向上に寄与する医療に転換することが、歯科医療の発展と経営向上の「王道」にほかなりません。アクションを起こせば、必ず変わります。

寅年のスタート。「虎は千里を走る」
勢いで自ら走り、歯科の風を起こしていきましょう。
今年はまさに「虎は風を起こす」年なのです。(「雲従龍風従虎」唐・李訓『周易』より)

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