歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

「歯科基本法」への期待

●民主党鳩山内閣誕生!

8.30総選挙の圧倒的な勝利を背景に、9月16日「脱官僚政治」を掲げて、民主党鳩山内閣が誕生した。非自民政権の誕生は16年ぶり、現在の閉塞状態からの脱却、「変化」を求める国民の意識の高まりを反映した結果といえる。

初会見の中で鳩山総理は「日本の歴史が変わると思うと身震いがする。本当の意味での国民主権に変える」と政権を担う決意を語った。平坦な道ではないが、長い戦後政治の中で蓄積された矛盾、行き詰った政治システムや疲弊した経済をゼロベースで根本から立て直してほしい。高い内閣支持率77%(毎日)、75%(日経)、71%(朝日)は、その「期待値」である。しかし「歴史はまだ変わっていない。本当の意味で変わるのはこれから」(鳩山氏)なのだ。新政権が徹底して国民の視点に立った変革を断行してくれることを心から期待する。

●「医療費削減」政策転換

民主党の看板議員「ミスター年金」の長妻昭氏が厚生労働大臣に就任した。民主党の医療政策の特徴は、「後期高齢者医療制度を廃止し、国民皆保険を守る」「医療の崩壊をくいとめ、質の高い医療サービスを提供する」というものである。なかでも、小泉「構造改革」の2002年度以降、政府は診療報酬や生活保護費を切り下げて社会保障費の伸びを毎年2200億円抑制してきた。さらに2011年度までに1.1兆(年平均2200億)円を削減する計画が進行中で、この7年間で日本の医療界は深刻な事態に追い込まれた。とくに地方の医師不足や病院の倒産など、各地で「生命の危機」的状況がうまれている。

民主党はこの削減計画を撤廃し、医療を充実させる公約を掲げている。長妻大臣は17日の就任早々、強烈に「年金問題の徹底解明」「母子加算復活」「後期高齢者制度の廃止」を打ち出した。

●「歯科基本法」に注目!

掛け値なしで、これまで歯科を重視し、もっとも根本的な政策を提示してきたのは民主党である。今回も新たに2名の歯科医師を国会に送った。同党は昨年「歯の健康の保持に関する法律案」(歯科基本法)を参議院に提出した。法案は、昨年は廃案に終わったが今年4月に再度提出されている。

内容は、歯の健康保持が高齢者をはじめとする国民の健康と質の高い生活(QOL)を確保するために重要、という理念をもとに、国や自治体の施策や医療保険者、歯科医院や歯科関係者の努力、さらに国民自身の日常的な口腔のセルフケアと歯科検診や保健指導を受けるなどの自主的な努力の必要性を訴えている。

国が抜本的に「治療から予防へ」の医療政策を推し進めるなら、医療はダイナミックに転換し、歯科医療が国民の健康増進と国民医療費の軽減という二重の成果をもたらすだろう。すでに、各地で8020達成者は非達成者よりも全体の医療費が2割も少ないという調査結果が出されている。あきらかに「歯科の出番」の状況が現実のものとなる。

●視点を根本から変える

これまで、歯科界は「歯科医師連盟」などいくつかの「連盟」を中心に国会に業界の代表を送り、診療報酬改訂をはじめとする歯科の利益確保を図るという側面が強かったが、今回の政権交代は、その視点の大転換を求めている。それは、国民・患者の健康を守るという「存在意義」、大義に立ち返って根本から診療や活動を組み立て直すことである。

その意味では7月、国会解散の直前に衆議院に提出された自民・公明による「口腔保健法案」も、ともに歯科の未来を検討する対象になるだろう。今後の活発な議論と実行を求めたい

今回の総選挙で勝利した民主党には「待ったなし」の難題に対してスピーディに、果敢にチャレンジすることが求められている。同じ「改革」を叫んでも、4年前の「小泉劇場」の構造改革路線とは180度違う方向、すなわちしっかり「国民」を向いた政治の軸足を、ぶれることなくとことん守り続けてほしい。それを見守り、育て、ともに国民のための政治を築いてゆくのは、ほかならぬ我々国民自身の責任でもある。

今後の政局と「歯科基本法」の行方に注目したい。

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