医療コミュニケーション新時代歯科医師臨床研修への期待●事実上「歯科大7年制」スタート4月にスタートする新卒歯科医師必修の「臨床研修」に向けて、研修生募集が活発に行われています。歯科医師が「患者に必要な情報を十分提供し、患者が納得して医療を受けられるよう、十分なコミュニケーションを図り、予後を踏まえた診療計画を立てる」力量を培うという臨床研修の主旨は(今や遅しとはいえ)時代の要請に応えるものです。さらに「口腔の疾病治癒・機能回復のみを目指すのではなく、口腔に関係した全身管理を含めた健康回復・増進を図るという総合性が要求される。」と、「口腔から全身の健康へ」と視野を広げていることも評価できます。「事実上の大学7年制」といわれる現場研修、そこには、より質の高い、人間性にもすぐれた医療人の「人財」育成という国民の切実な願いが課せられています。 ●「患者中心の全人的医療」の理念この研修は「患者中心の全人的医療を理解し、総ての歯科医師に求められる基本的な診療能力(態度、技能及び知識)を身につける」ことを到達目標に掲げ、「ねらい」の冒頭に「1.歯科医師として好ましい態度・習慣を身につけ、患者及び家族とのよりよい人間関係を確立する。」という医療人としての根本的診療態度を掲げています。さらに、基本を習熟させる「一般目標」も最大の目標として「個々の歯科医師が患者の立場に立った歯科医療を実践できるようになるために、基本的な歯科診療に必要な臨床能力を身につける。」ことを明記し、その第一課題に「医療面接」を設定。コミュニケーション能力の養成に向けた具体的「行動目標」として以下の9項目を挙げています。 ●「コミュニケーション力」の養成
●「患者さんに向き合う」ことからこの制度誕生の背景には、毎年2千5百人が誕生する歯科医師の「需給対策」として「開業を少しでも遅らせたい」という思惑があったとも聞き及びます。しかし、こうした総合力を身につけて世に出る若い歯科医師こそが、新しい歯科界の担い手なのです。その意味では過去の幻影に固執し現状に足踏みをしている先輩諸師にとっては、さらに大きな「脅威」になるはずです。この制度が臨床現場での「生涯教育」等の研鑽にも有益に作用することを期待したいと思います。日本の歯科界は、政界や組織の保身とエゴイズムと決別し、患者さんのほうに真っすぐに向いて真剣に努力すべき時を迎えています。それ以外に歯科再生の道はありません。 私たちは、歯科は必ず日本の新しい医療の帳をひらくと確信しています。激動の時代は続きますが、大きな可能性を秘めた口腔医療の世界に誇りをもち、若者達の未来を応援したいものです。 |