コムネット 患者さんの本音!ネットアンケートHONNET

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<vol.2>

いま、自費を勧められたら?

前回はおかげさまで、日本歯科新聞をはじめ多くの方々から反響をいただき、また、新しいアンケート内容にもさっそくご応募いただきました。ありがとうございます。激動する情勢のなかで、みなさんが「患者さんの声」に軸足をおいて医院経営の舵取りを模索しておられることの証と思います。
第2回目は、調査日2009年2月1日−5日のアンケートから「いま、自費を勧められたら?」を考えます。世界的不況のなかで「インプラント出荷が半減の見通し」(2008年12月)と報じられた大手N社の状況が事態の深刻さを物語っています。
しかし、ならば自由診療は当分見込めないのかというと、単純にそうとはいえません。なぜなら、患者さんが健康で、より噛めるように、より美しくなりたいと願っていることに変わりはないからです。また「来院患者数は減ったが自費率はアップした」という声も耳にします。経済情勢と患者さんの心理を多角的視点で分析して、コミュニケーションを深めていきましょう。
調査日時 2009年2月1日-5日
調査対象 歯科医院検索サイト「歯科へ行こう!」会員
回答者 20歳以上の男女 629人
回答者の属性 最も多い年代:30-40代
既婚:66%
会社員:38.7% アルバイト・パート・家事手伝い:16.6%
年収:500万-1000万 45.6%  500万未満 42.7%  200万未満 7.9%
調査 メディカル・コミュニケーションズ
分析 コムネット

「1,000・・・3,000円以上だと高い」が76.5%

(1回の歯科診療費がいくらから『高すぎて行きたくない』と感じるか)

まず、治療費についての「感じ方」の現実を見てみよう。 世帯年収別に、「歯科費が高すぎて行きたくない」と感じる金額(1回あたり)を尋ねた。全体でみると「1,000円以上」から「3,000円以上」までで76.5%の人が「高すぎる」と感じている。世帯年収別でみると、年収が高くなるに従って「高い」と感じる金額も高くなっている。年収1,500万円以上では「5,000円以上」「10,000円以上」があわせて50%に達する。一方、年収が平均的な400-500万円の層をみると、「2,000円以上」までが43.6%に達している。
診療内容について質問していないので一概には言えないが、こと「金額」に限っていえば、全体として非常にシビアな意識を抱いていることがうかがえる。それは、歯科に対する知識の有無、意識の高低にもよる反応として受け止めることが必要である。(グラフ1

グラフ1 1回の診療費がいくらから「高すぎて行きたくない」と感じるか
グラフ1

自由診療の勧めかたには配慮が必要

(歯科医院から高額の自費治療を勧められたときにどう対応するか)

この時期に、高額の歯科治療を勧められたら、患者さんはどのように反応するだろうか。誰しも関心のある項目である。「勧めかたによる」という声が聞こえてくるのは承知のうえで尋ねた。
すると、全体的にはおよそ半分(52.8%)が「歯科医の提案をそのまま受け入れる」「治療内容によっては受け入れる」と回答している。この5割を多いとみるか少ないとみるかはそれぞれの判断だが、この時代でも患者さんの半数は、内容次第で数万から時には百万単位の治療費を出すことも納得してくださる、ということだ。その土台になるのは「信頼関係」である。
高額の自費治療を勧められたときの対応を、「不景気が家計に非常に影響を受けている」グループと「非常に不安を感じている」グループを抽出して比較した。すると、現在影響を受けているグループのほうが、より傾向がはっきりしているが、どちらも「自費治療を断って保険の範囲で治療してもらう」という回答が過半数を超えている。
この数値は、「勧めかた」以前に、「患者さんがおかれている状況を正確に把握しておかなければならない」ということを物語っている。急を要する治療か、経済状態の回復を待ってからでは遅いのか、保険治療では十分に対応できないものか、患者さんの立場に立ち、より親身に考えて提案することが必要である。(グラフ2

グラフ2 高額の自費治療を勧められときの対応
グラフ2

厳しい時代こそ「信頼関係」の構築を!

今回は「自由診療」にスポットを当て、お金の面から患者さんの意識を考えてみた。
1回の歯科診療にかける金額が「1,000円〜3,000円以上」で「高すぎる」と感じている。「美と健康」における口腔ケアの役割が納得されると、金額的評価も変わってくるだろう。広く世論を喚起する組織的取り組みが不可欠の課題だが、基本は個々の歯科医院における患者教育・コミュニケーションにある。それは「自費治療を勧められたとき」半数の人が「治療内容」「歯科医師の提案」によって自由診療を選ぶという回答にも重なる。チェアに身を横たえて口を開き、治療をゆだねる患者さんの思いは「先生を信頼したい」のである。医療の基本は信頼関係であり、その深まりが確実に「自由診療の選択」につながる。信頼は「知ること」から始まる。歯科の情報、治療法、症例、院長の人柄、経歴、得意分野…、それらをしっかり伝え、患者さんのことも十分に理解している医院の自費率が高いのは当然である。厳しい時代だからこそ、信頼の絆を強めていこう。
なお、参考までに、グラフ3として、2008年9月(リーマンショック以前)と2009年2月(今回の調査)の審美歯科の受診意向の比較も掲載した。前回の「今後自由診療を減らす」という回答のなかでもとくにホワイトニングが高い数値を示していたが、その内容を分析したのがこのグラフである。半年前と比べて、漂白などの「ホワイトニング治療」の減少率が、他の治療よりも大きくなっている。「美と健康」の「美」をがまんする傾向にあることが読み取れる。

グラフ3 審美歯科の受診意向の時系列変化(受診したい、やや受診したいの合計)
グラフ3
(K)
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