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よく人前で『夢』について語ることはある。「自分の夢」についてではなく、夢のとらえ方やそれを達成するプロセスについてである。では自分の夢は? 中学生時代に父(職業は食品製造業)の助言もあって歯科医師になることを目指し、実現できた。歯科医師になってから、特に長崎で開業してからは充実した歯科医人生を味わっていると思っている。スタッフと一緒に患者さんに精一杯の誠意と歯科医療サービスを尽くして、代わりに「すばらしい笑顔」とそれなりの報酬をいただけている。この限られた報酬の中でスムーズな医院経営を行うために、ドンブリ勘定ではなく、洗練された経営センスを必要とされる「厳冬の時代」がもうそこまで迫っているようである。現実問題としては、家族の生活のためにもがんばってあと数十年仕事を続けていくのだろう。 しかし、このように「生活のために働く」としても、私はあるひとつのことだけはライフワークとして日々の診療の芯に置きたいと思っている。 実をいうと、歯科医師である私自身がかみ合わせの不具合によって体のあちらこちらに症状が出ているのである。一見すると正常な咬合状態でMKGを用いて検査してみても異常な値はでない。それなのに……。咬合紙の厚みの半分程度の調整を2、3ヵ所行うだけでリアルタイムで体が反応する。「かみ合わせ」とは「敏感な人」にとってそれほど繊細なものなのである。「かみ合わせ」が原因で自分より厳しい症状を持つ患者さんを見るにつけ、少なくとも
常に患者さんのためを考え、咬合誘導、咬合治療、さらに咬合を悪くさせない治療を心がけながら一つひとつの診療を行っていきたい。そして、治療が終わったときに「最近何でもおいしく食べられるんですよ。」という言葉だけではなく「最近体の調子がよくなりました。」「お口を含めて健康そのものです。」といったことばに対して私が「よかったですね。私もうれしいです。」と答えるという会話を一つでも多くしたいと考えている。 哲学的な話になってしまうが、究極のところ人間は「人様のお役に立つために」生まれてくるものであろう。となれば、不正咬合を予防でき、不幸の種を少しでも取り除くことができる立場にある歯科医師とはなんとすばらしい職業だろうか、そして不正咬合と種々の病気(顎偏位症)の関係が少しずつ社会的に認知されるようになったこの時代に現役歯科医師として働ける私はなんと幸運な人間なのだろう。 私を支えてくれている皆に感謝をし、ハッピーリタイヤメントを迎えるまで精進をしていきたい。それが、現在の私の描く「夢」である。 |
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